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山の紫外線対策——「日焼け」では済まない高所のUVを正しく防ぐ

山の紫外線対策——「日焼け」では済まない高所のUVを正しく防ぐ

下山して鏡を見たら、顔は真っ赤、首の後ろの皮は剥けかけ、目は充血して涙が止まらない——夏山あるあるの「やられた」状態です。あなたも経験ありませんか? 山で受ける紫外線は、街中とは桁違いの強さです。「日焼け止めを塗ったから大丈夫」では追いつかない量を浴びていることを、知っていましたか? この記事では、高所のUV特性と、見落としがちな対策のポイントをまとめます。

なぜ「山の紫外線」は街より強烈なのか

山では平地と比べて紫外線の強度が大幅に増します。理由はいくつかあります。

①標高による空気の薄さ

紫外線は太陽から降り注いだあと、地上に到達するまでに大気中で吸収・散乱されます。標高が高くなるほど大気の層が薄く、紫外線の減衰が小さくなります。一般に標高1,000m上がるごとに紫外線量は約10%増加するとされ、3,000mの稜線では平地の約1.3倍前後に達することになります。

②反射の影響

紫外線は地面や水面、雪面で反射します。特に新雪面はおよそ8割もの紫外線を反射すると言われ、頭の上からだけでなく下からも紫外線を浴びる状態になります。残雪期や雪山では、この反射光が顔や目に大きなダメージを与えます。

③遮るものが少ない

稜線や森林限界より上では、影をつくるものがほとんどありません。歩いている時間ずっと直射日光を浴び続けるため、累積の紫外線量が街中とは比較にならない水準になります。

山で起きる紫外線トラブル

山での紫外線対策をおろそかにすると、次のようなトラブルが起きます。

ひどい日焼けは火傷の一種であり、体力の消耗・脱水・睡眠の質低下といった登山中のパフォーマンス低下にも直結します。「美容のため」だけでなく「行動のため」に紫外線対策が必要なのです。

顔・首・手——部位別の対策

全身を一律に守ろうとすると、かえって対策が手薄になりがちです。部位ごとに「どう守るか」を考えると抜けがなくなります。

顔——日焼け止め+帽子の組み合わせ

首・耳——意外な「焼け忘れスポット」

首の後ろ、耳の上部、こめかみ——いずれも日焼け止めを塗り忘れがちな部位です。バフ(ネックゲイター)で覆う、シェードハットを使うなどの方法で、物理的に紫外線を遮断するのが確実です。

手の甲——半袖時の盲点

半袖シャツでトレッキングポールを使うと、手の甲が常に上を向いた状態で歩くため、想像以上に焼けます。日焼け止めの塗り直しを忘れずに、UVカットの薄手グローブを使うのも有効です。

脚——ハーフパンツのリスク

ハーフパンツ+スパッツ無しで稜線を歩くと、ふくらはぎまで強烈に焼けます。長ズボン、もしくはタイツでカバーするのがおすすめです。

「目」を守ることの重要性

紫外線対策で見落とされがちなのが、目への対策です。目に入った紫外線は、その場での痛みだけでなく、長期的には白内障などのリスクも高めるとされています。

サングラスの選び方

「ファッション用サングラス」はUVカット性能が低いものも多いので、登山用には必ずスポーツアウトドア用を選びましょう。曇りの日でも紫外線は届きます。サングラスは「晴れた日だけ」のものではありません。

雪・水・コンクリート——反射光のリスク

前述のとおり、雪面や水面は紫外線を強く反射します。特に注意したいシーンを挙げると——

残雪期・雪山

雪面の反射により、顔の下側(あご・鼻の下・首の前面)も焼けます。日焼け止めを下から見上げる角度で塗っておくのがコツ。サングラスは必須で、できれば雪山用ゴーグルを併用すると目を完全に守れます。

夏の沢登り・水辺

水面の反射でこちらも下からの紫外線量が増えます。長袖・長ズボン・帽子・サングラスをセットで装備するのが基本。沢登りでは速乾素材の薄手長袖がおすすめです。

曇りの日も油断禁物

薄曇りの日でも、紫外線は晴天時の8〜9割程度届くと言われています。「曇ってるから大丈夫」と日焼け止めを省くと、いつもより酷い焼け方をすることがあります。

※ 紫外線への耐性には個人差があります。皮膚の弱い方、過去にひどい日焼けで皮膚科を受診したことがある方は、医師の指示に従って対策を強化してください。

まとめ

山の紫外線は、標高による減衰の少なさ、反射、遮るもののなさにより、平地の感覚を大きく超える強さで降り注ぎます。日焼け止め・帽子・サングラス・長袖長ズボンの4点を基本に、部位別に「焼け忘れ」がないかを意識するのがコツ。雪面・水面・曇りの日のリスクも忘れずに。

紫外線対策は美容や見た目の問題だけでなく、行動中のパフォーマンスや長期的な健康にも関わる「装備の一部」です。仲間にも声をかけ合いながら、塗り直しを忘れない習慣をつけて、安全で快適な夏山シーズンを楽しんでください。

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